よくある質問にお答えします(看護師編)

Q1:訪問看護師も夜勤があるのですか?

病院や施設で勤務しない形の看護師ですので、夜勤・交代勤務は基本的にありません。そういった意味では、訪問看護師は病院・施設勤務の看護師と比較して勤務時間は短く、人の身体にやさしい職場と言えます。

非常勤パートでの勤務も可能ですので、出産や育児、ご家族のご都合に合わせた勤務形態も可能です。

基本日勤のみ、また休日が土日固定されていますので、家族がいる看護師には非常に働きやすい職場といえます。

ただ病棟勤務と大きな相違点は、訪問先への移動が発生し、利用者様の居宅で基本一人で利用者様と向き合う事となります。

日常勤務の一日はというと、朝は訪問看護ステーションに出勤します。

そこでカンファレンス(ミーティング)を実施し、申し送りをおこないます。その後、利用者さん宅へむかい看護業務をこなします。

目標数は、1日訪問5件前後、看護時間は1件当たり30分~60分となります。

そして夕方には訪問看護ステーションへ帰り、ここで記録をし、報告を済ませて仕事が終わります。

しかし、当ステーションではオンコール体制をとっていますので、重症者、緊急者の場合は、事前当番であらかじめ持った携帯電話で、夜間や休日の間は利用者さんからのコールに応じます。

電話内容は様々で、利用者さんの家族から対応の確認から、利用者さん自身が異変を知らせるもの、認知症の方からの電話まであります。

電話内容を判断し、緊急の場合は訪問看護師自身が利用者さん宅へ出向き、状態に応じてかかりつけ医に連絡をするなどの対応をします。なお、電話応対のノウハウ・マニュアルを当ステーションでは用意し、ベテラン看護師のアドバイスも得られます。

なお頻度ですが、統計的には100名の利用者で月数度程度となっています。

もちろん当番の際は気が気では無く、安心待機できないかもしれませんが、サービス向上の為、当番で対応して頂くこととなりますことをあらかじめご承知お願いします。

 

Q2:訪問看護経験も病棟勤務もありませんが大丈夫ですか?

訪問看護師になるためには、看護師資格以外のものは基本的には不要です。

「やる気」さえあるのならば、新卒の看護師でも務められます。

しかし実際の処実務経験3年以上の看護師がよりよく、病棟臨床経験があった方が利用者さんの全身状態の観察できるため本人も安心となります。

これは一定期間以上の臨床経験のある看護師なら問題なくクリアできるスキルですが、新卒・臨床未経験者・専門分野の相違では、利用者さんの出しているサインに気がつかないことがあるかもしれませんし、看護師の見落としが急変につながることも不安の材料と考えられます。

また、重篤者などチューブの管理、点滴注射がある場合あります。利用者さんの状況に応じて、適格に素早く対応するためにも、ある程度の病棟臨床経験・多くのキャリア蓄積があった方がベターといえます。【※Q3参照】

訪問看護師は現場に1人でいくので急変時にはかかりつけ医に連絡をし、場合によってはエンゼルケアまでできれば内科臨床を経験していて、それ以外にも消化器内科、循環器、呼吸器内科などの経験があれば言うことはありません。何事も多くの知識・経験は生かされます。

しかし新卒者、キャリアが限定されている看護師は働けないかといったら、そんなこともありません。

訪問看護の場合は、普段は特別に難しいスキルが必要な場面はほとんどありません。

基本的には体温測定などの日常ケアが中心となり、療養のお世話が普段の処置となります。これらすべて事前に医師からの指示書で確認できます。

療養上のお世話としては保清、洗髪、入浴介助、食事介助があります。なかにはリハビリが指示されている場合もあります。とくに稼働域がせばまっている利用者さんに対しては、拘縮予防を念入りにやる必要があります。

また入職後に先輩看護師(フォローナース)についてしっかり実務を学んでから単独業務にはいることになり、判断に迷った場合は管理者への相談、INQ本部へのフォローが可能となります。

患者様の病状により専門の担当看護師を分担することで解消もできます。

訪問看護師になるには、なによりも利用者さんと自宅の状況に柔軟に対応できる能力が必要です。

そして明るく、社会性と責任感持ち、コミュニケーション・職員間のネットワーク連携が重要となる仕事と言えます。

それぞれの利用者さん・ご家族と長期間にわたりじっくりとつきあい、適正な情報と医療ケアを提供して、利用者さんと家族が在宅で安心・満足して療養ができるようにサポートするのが訪問看護師に求められる仕事です。

 

Q3:訪問看護師の医療行為はどんな処置になりますか?

医療処置は、医師の指示書に従います。これは病棟勤務の看護師の場合と同じです。

訪問看護師が行うケースとして、インシュリン注射、点滴、血行測定などがあります。

点滴に関しては指示はめったにありませんが、利用者さんによっては訪問のたびに必要なケースもあります。概ね、翼状針または留置針の抜き差し、皮下の埋め込みポートへの対応になります。
そして医療機器の管理とチェックがあります。最近では、医療機器が設置されている事もめずらしくありません。在宅酸素や人工呼吸器、持続点滴、膀胱カテーテルなどです。これらの医療機器が正しく作動し、利用されているかをチェックするのも訪問看護師の仕事になります。
利用者さんによっては、排便コントロールが必要なこともあります。とくに寝たきりのかたは便秘になっている事が多いです。そのため必要に応じて、摘便や浣腸をして排便を促します。またストーマ(人工肛門)を造設している事もありますので、その処置が必要なこともあり、褥創管理も大事な仕事です。

 

Q4:ターミナルケア・認知症利用者について

■終末の介護支援というのは、訪問看護師ならではの仕事といえましょう。正確には医療行為には含まれませんが、非常に大切な、また訪問看護師の仕事の中では大きなウエイトを占める仕事です。

ターミナルの場合、病棟と相違して居宅故にご家族との関係が密になります。情が入るのは人間として当たり前ですが、動揺する家族の前では看護師の位置づけは重要となり、その意識づけが必要といえます。

■認知症患者ですが、介護保険を利用して訪問看護師のサービスを受けている利用者さんに認知症状がある場合がとても多いです。

介護をしている家族に対して、事故予防の工夫や運動機能低下を防ぐアドバイス、介護方法の指導などがあります。利用者さんと家族にとって必要と思われる情報を提供することも訪問看護師の大事な仕事です。
いずれにせよ、訪問看護師のおこなう医療処置はすべてかかりつけ医の訪問看護指示書に従います。事前に指示があります。ケアや処置について準備、知識心構えが重要となります。